看護学校は厳しいとよく言うけれど・・・
看護学校では看護技術の試験があります。
大学の看護学科はわりと緩いらしいのですが、専門学校では異様なほど厳しいです。
どう厳しいのかというとですね、こんなかんじです。
1年生が初めてナースの実習着を着て行う看護技術の授業を楽しみに、ワクワクして実習室に行くと・・・教員がまず、
「チャイムが鳴り終わった後に入ってきた人は手をあげなさい。今すぐ出て行って構いません」と怒り出し一瞬で和やかな場が張り詰めた空気に変わります。
静まり返って隣の人が唾をのむ音まで聞こえてきそうな教室。
そんな中勇気ある子が声を振り絞り「すみません・・・授業、受けさせてください・・・」と半泣きで謝ってようやく授業が始まります。
と思えばまたすぐに
忘れ物をしてきた
予習してなかった
といったことで教員が
「あなたたちはこの授業のためにどんな準備をしてきたのか
やる気はあるのか
やる気がないなら教室から今すぐ出ていきなさい!!!!」
と激怒してきてます。
はい。まあこれは学生をシメルための洗礼みたいなものです。
教員はこれ、毎年やってます。パフォーマンスです。
ものすごくくだらないですが、最初が肝心ということで最初の授業で厳しくするんです。
そしたら次の看護技術の授業から学生はみんな、恐怖で真剣に取り組むようになりますから。
もしも看護学校の教員で「それは違う。パフォーマンスではなく本気で学生のことを思って怒っているんだ」と主張する人がいたら、イッちゃってるのかなと逆に怖いです。
これをされるとほんと、取り組む真剣さが変わります。でもそれっていいことなんでしょうか。
恐怖で相手を支配してコントロールするのが教育ですか。そんなの間違った教育だと思います。
こんな経験をするうちに学生は「看護師」らしく鍛えられていくのです。ほんと、くだらないです。
何より最悪なのは、そうやって厳しくされることで厳しい指導がいいことだと思い込む人がいることです。
シーツ交換の技術試験の厳しさにはいまだに納得いかない
技術の授業でこんなかんじなので、技術の試験はこれまた意味不明なほどに厳しいです。
中でも私がいまだに納得いかないこと。それは・・・
シーツ交換
厳しすぎました。
どう厳しいのかって、
シーツを広げる手順を間違うとダメ
少しでもシワがあるとダメ
ベッドの中心とシーツの中心がそろってないとダメ
三角がキレイじゃないとダメ
2人の息があってないとダメ(これ関係ある?!)
など。三角というのは、この端っこの部分のことです。

特にキレイな三角を作ることへのこだわりはみんなものすごくて、上手に三角が折れる人を「三角の魔術師」と呼んで遊んでいました。
技術試験はものすごく緊張感があります。
そんなに圧力かけてどうなる?ってくらい教員からの圧力がすごい。
たぶん高齢者だったら心臓発作とか起こすレベルです。
なので学生はみんな超・真剣で、夏休みにわざわざ学校に来てシーツ交換の練習してました。今思うとたかがシーツ交換で(笑)というかんじなんですが、その当時は真剣ですから。
あまりの真剣さからか、不思議なことにそのうち学生同士でお互い監視しあうようになって
「あの子バイトがあるからって夏休み全然出てこなかったけど、やる気あんの?バイトとシーツ交換の練習、どっちが大事だと思ってるの?」
なんて陰口言ったりするようになるんですよねー
こわいこわいこわいこわい・・・
今思うと普通に、別にバイトしててもいいんじゃない?って思いますよね。
そんなに苦労して習得したシーツ交換の技術ですが、実際の病院ではボックスシーツですぽッとかぶせるだけだったりします。
三角を競い合ったあの日々を返せっ!!!
しかも何だったら病院によっては業者さんや助手さんがシーツ交換してくれたりしますからね。助手さんなんてもちろんそんな真剣にシーツ交換に向き合ってきてません。
ちょろっと教えられるだけです。それでもちゃんとできてます。シーツ交換の練習をめぐってクラスメイトの関係に亀裂まで入ったのに!
まあそうは言っても小中規模の病院だと外注するお金をケチるので、やっぱり看護師もシーツ交換します。
でもね、何年も何年も、毎週毎週何台ものベッドのシーツ交換をしていると多少シワが寄ってても
来週また交換するからいいか!
と適当になってきたりします。(褥瘡リスクのある患者さんはさすがにシワ伸ばしますが)
厳しい技術試験はまったくもって無駄と言えます。看護学校ってまだそんなバカらしいことしてるのかな。
楽しい看護学校だったな~!(笑)
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