苦手意識を持たれやすい産科
皆さん産科と言うとどのようなイメージがありますか?
看護学生の時に誰もが必ず通る実習領域の一つですよね。
実習は楽しかったですか?
赤ちゃんがかわいかった、初めて出産を見て感動した!という経験をした人もいるでしょう。
しかし多くの学生が何だか特殊過ぎて苦手だったと口にします。
- 妊婦さんは自分で出来ることが多い
- 褥婦さんは毎日授乳や育児に忙しい
- 入院期間も短く看護の展開も早い
加えて、学生は赤ちゃんに触れるのも初めてで大丈夫かなという不安もあります。
他の科と違ってケアを主体的に行って看護した!という実感が湧きづらい領域です。
そんなマイナスのイメージがつきやすい産科ですが、実際に働いてみると他にはない面白さややりがいがあります。
私の体験談も含め産科で働く魅力についてお話しますね。
産科と言ってもいろいろあります!
一概に産科と言ってもその働き先は
- 産科を単科とする個人の産婦人科
- 外来だけを専門とする病院
- 産婦人科としてあらゆる女性を診る病院
- 総合病院の診療科の一つとして産婦人科病棟がある
など様々です。
これらの中で共通する点は、働く看護師も患者である妊産褥婦、婦人科疾患の患者さんも皆「女性」ということです。
産婦人科医には男性もいますが、まさに女性の職場と言っても過言ではありません。
産科での看護師の仕事
産科の仕事内容は
妊娠出産産後の女性の看護
新生児の看護
がメインです。
妊娠出産経験のない看護師が、産科で働くときの捉え方
自分が妊娠出産を経験したことのない若い看護師の中には、
こんな私が看護していいのだろうか?
若い私が指導しても分かってもらえるだろうか?
と悩む人もいます。
しかし将来自分自身も経験するかも知れない知識を学べるチャンスと考えてみてはどうでしょう。
私も妊娠出産を経験した際、これまで仕事で得た知識や技術が実生活で本当に役に立ち、初産婦でもスムーズに育児を始められたのは産科で看護師をしていたからだと思っています。
自分の子育て経験を活かすこともできる
また子育て中の看護師にとっても、自分の経験が糧となります。実体験を交えて患者さんと関わることでより思いを共有でき、現実味のある看護に繋がります。
さらに患者さん達から子育ての情報をもらえることも多いです。
同じ地域に住み子育てをしているママとして役立つリアルタイムの情報を得られるのは凄くお得です!
同世代の女性だからこそできること
産科では看護の対象が同世代の女性だからこそ、患者さんの置かれた状況をイメージしやすいです。
患者さんも看護師に心を許すと本当に深い話をしてくれます。
入院して旦那さんと離れることが寂しくてたまらないという人もいれば、私がこんなに頑張っているのに旦那は家で自由にしていてイライラするといった愚痴を口にする人もいます(笑)。
家族との生活の様子や性の話、嫁姑関係に関する事や将来の話…
仲の良い友達にでも話さないようなことまで話し出す方も多く話していて楽しくなります。
産科で重要な保健指導
この一見、世間話とも言えるような話をすることで深みが出る仕事もあります。
それが「保健指導」です。
保健指導はどの診療科においても行われる看護の一つですが、産科においては特に重要。
保健指導次第で患者さん自身が出産や育児に向け生活スタイルを変えたり、知識や技術を習得していく過程がよく分かります。
看護師は医師の診療の補助や医師の指示のもとケアを行うことがほとんどですが、この保健指導は一番患者さんの側にいて、患者さんのことを見ているからこそ出来る看護師の役割です。
患者さんに指導するには、看護師自身が必要な知識を持ち、さらにそれを患者さんがわかるように伝える話術も備える必要があります。
大変ですが、変化していく患者さんを見ると楽しくなっていきますよ。
産科でのナースのやりがい
産科特有の指導というと「母乳育児」もあります。
赤ちゃんって産まれたら勝手に母乳を飲んでくれると思っていました
というママさんは多いです。しかし実は授乳にはコツや技術が必要です。
「あの看護師さんが手伝ってくれると飲めるのに」ということも多々あります。
母乳育児の指導を積極的に行う医師はまずいないため、看護師としてもっとうまくなってもらおう!とやりがいが出ます。
患者さんが退院した後も「ここで産まれた子がこんなに大きくなりました」「今は育児を楽しんでいます」と会いに来てくれたり、街でばったり会うと「入院中はお世話になりました」と何年たっても声をかけられたり、家族の成長を見ていける嬉しさもありますよ。
このように単に入院生活中の看護だけでなく、女性のライフスタイルすべてに即した関わりが出来るのは産科ならではないでしょうか。
どうでしたか?こう見ると確かに産婦人科は特殊かもしれませんが、他にはない面白さややりがいを感じられる部分も多くあります。
赤ちゃんの誕生から女性の生涯にわたって関わっていくことが出来るなんて素敵ですよね。
この記事を書いた人
ニックネーム: ひまわり
育児を満喫中の赤ちゃん大好き看護師ママです
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