大学院と聞くと、それだけで「難しそう」「大変そう」という感想をもつ人も多いと思います。
今回は、看護の大学院とはどんなところなのか、入学の仕方から学生生活についてお伝えしたいと思います。
看護の大学院とは
4年制大学の中には、大学院を設置している大学があります。
大学院と一口に言っても、看護大学の大学院には2種類あり、『博士課程前期』と『博士課程後期』に分かれています。
『博士課程前期』は2年間で看護について専門的なことを学び、看護研究を行い修士論文発表をすることで、修了時に『修士号』という学位がもらえます。
その後、さらに研究を発展させたい人は『博士課程後期』で3年間さらに研究を行い、博士号論文発表をすることで『博士号』という学位がもらえます。
何のために大学院に行くの?
大学院に行く理由は、臨床よりも研究が好きな人、看護大学の先生になりたい人、専門看護師・認定看護師を目指している人など人によって様々です。
学費もかかりますし、研究はハードですし、ただなんとなく行くということは避けた方がいいかもしれません。
受験するにはどうしたらいいの?
まずは、自分が学びたいことや研究したいことを明確にしましょう。
そして、そのテーマについて研究をしている研究室を探します。
大学院は、大学受験のようにセンター試験があるわけではないため、自分で事前に研究室の教授にアポイントを取って、大学院に入学したいことを伝えなければなりません。
ですので、どこの大学のどこの研究室で何を学びたいかが大事になってきます。
大学院入試の試験内容
教授へ入学の意思を示した後は、大学院入試の勉強をしましょう。
大学によって入試の内容は違いますが、看護の基礎知識や英語、小論文などの試験であることが多いようです。
特に、大学院では論文を作成する場合、英語の論文を読み込んだり、海外で英語で研究発表をすることも場合によってはありますので、英語力はかなり必要になってきます。
英語は、使えるに越したことはないので勉強しておくとよいでしょう。
働きながら大学院に行けるの?
大学院は、社会人のために授業枠が夜と二部制であることが多いです。
働きながら大学院に進学している人は多いです。もちろん、学生生活に集中している方もいます。
働きながら大学院へ進学する場合は、上手に時間を使って少しずつ研究を進めていくことが大切になっていきます。
大学院生活ってどんな感じ?
見事、大学院入試に合格したら大学院生活が始まります。
1年目は、看護研究についてや医療について学んでいくことになります。
履修する科目は、必要単位数を見ながら教授や准教授と相談していくといいでしょう。
また、それと並行して看護研究のテーマを決めていきます。
既存の論文をたくさん読んで、自分が研究したいテーマがすでに研究されていないか、もしされていたとしても違う角度から研究しなおすことができないかを検討していきます。
それ以外にも、教授の授業のお手伝いをしたり、看護実習に帯同したりもします。
まだ、看護免許を持っていないフレッシュな学生と触れ合うのは、忙しい研究生活の中でとても新鮮な気持ちになれて気分転換になりますよ。
論文作成って大変なの?
正直、私は科目の中で英語が1番苦手でしたし、英語の論文を読み込むのはとても大変でした。
また、教授の性格や忙しさによっては、論文締め切りぎりぎりまでノータッチの方もいますので、自分できちんとスケジュール管理をしないと、直前でとても大変な思いをします。
私もそのパターンでしたので、論文締め切り1か月前くらいから研究室にほとんど泊まり込んで論文作成をしていました。
論文作成が済んだと思ったら、今度は発表のためにスライドを作成し発表練習もしなくてはなりません。
博士課程後期は、さらに大変になって博士論文の合格がもらえず留年している人が研究室には何人かいました。
3年で卒業できる人の方が珍しいと思えるくらいでしたので、働きながらの博士課程後期は卒業までに3年以上かかると思っていた方がいいかもしれません。
大学院へ行くことのメリットは?
ここまで読んで、なんだかすごく大変そうって思ったかもしれません。たしかに大変なこともあるのですが、メリットもたくさんあります。
まず、看護研究についてしっかりと学べます。
臨床で働いていても、総合病院などでは看護研究はついてまわるものだと思います。
よくわからないまま研究をしていて、苦手意識がある方も多いと思います。改めて、看護研究とは何か、どのようにするべきかを学べるのは、将来的にとてもいいことだと思います。
また、看護教員への道が開けます。
看護師として働いていて、夜勤に疲れてきた方や子供ができて日中の業務がいいと思う方、学生と接するのが楽しいと思った方には、働き方の選択肢が増えます。
さらに、修士号や博士号を持っているとやはり転職する際に有利になると思います。
個人的には、タイピングや資料作成が異常にはやくなりましたので、看護師に嫌気がさしたときには、事務や経理などへの転職も可能なのではと思っています。(笑)
ここまで、大学院についてお話してきましたが、少しはイメージがつかめましたでしょうか?
大学院は、本当に専門的なことを学んでいきますので、楽しい学生生活とはなかなかならないかもしれません。
しかし、これからの自分のライフプランを考えたときに、必要である、興味があると少しでも感じたときは、ぜひ相談だけでもお目当ての研究室へコンタクトをとってみてくださいね。
この記事を書いた人
ニックネーム:けんとも
一言:大学病院で勤務後、大学院進学し現在は子育て奮闘中です。子供と共に通える保育園で保育園看護師としても働いていました!今後は、大学教員を目指して頑張り中
コメント