小児科の看護師のお仕事
私は看護師に就職してから4年間、小児科で勤めていました。
小児科の勤務内容は他の科と大差ないと思うので、特徴的なことを説明していきます。
小児科のバイタルサイン測定
まずは、基本的なバイタルサイン測定からですが、小児科には多様な発達段階の子どもたちがいるわけなので、年齢に応じたバイタルサインの正常値、異常値を把握しておく必要があります。
乳児や幼児になると、バイタルサイン測定をする前に泣かせないという技術が大切になってきます。
なぜかというと、泣いてしまうとバイタルサインが全部おかしくなってしまうからです。
何人もバイタルサイン測定しなければいけない中での仕切り直しはなかなか辛いものがありました。
さらに一回泣かせてしまうと次から警戒されてしまうこともあるんですよね。
泣かせないコツ
泣かせないコツは色々とありますが、第一に付き添いの母親に協力してもらいながら、笑顔で優しい声をかけていくことが必須になってきます。
子どもを安心させないといけないわけですね。
観察力が試される!!
さらに乳幼児期の子どもは、症状が上手く伝えられません。
そのためいつもと何か違うといった些細な違和感が大事になってくることもあります。普段、この子がどんな様子で生活しているのかを見て知っておかないと気づけないということです。
観察力が試される場でもあると思います。
入院する子どもに大切なこと
子どもには病気と闘う他にも大切なことがあります。
それは、遊ぶことです。
元気になってきているけど、まだ退院できるほどじゃないという子どもは結構います。
子ども同士で遊ぶことはもちろんですが、私たち看護師も遊び相手になります。
私は若くてゲームや漫画に詳しかったので、男の子たちによく絡まれてました(笑)。
でもそういう関わりが小児科では大切になってきます。
母親と一緒に入院している子どもは看護師にあまりわがままを言いません。
母親というわがままを言える相手がいるからですね。
しかし、母親がいない子どもは看護師にわがままを言ってきます。これがまた大変です。
バイタルサインを取らせてくれなかったり、お風呂に入らなかったり、ベッドに潜り込んで出てこなかったりと色々な手段で抵抗してきます。
そんな抵抗に先輩看護師が困っているときに、遊び相手の自分がお願いするとすんなりいう事を聴いてくれるんですね。
つまり、遊ぶことは子どもと信頼関係を築くことになるんだと私は思っています。
遊ぶだけではなくて、勉強を見てあげることもありました。
なんでもいいから病気から離れたところでコミュニケーションを取ることが非常に大事になってきます。
小児科で大変だったこと
小児科で勤務していて大変だったことは、母親に一挙一動を監視されているように感じることです。
実際監視されているんでしょうが、慣れてくると大したプレッシャーではなくなってきます。でも新人だった頃は大変でした。
小児科には新人の職歴よりも長く入院していたり、入退院を繰り返していたりして、新人看護師よりも病棟に詳しく、看護師から「ボス」や「首領(ドン)」なんて呼ばれている母親が必ずいます(笑)。
新人の頃に、その母親の子どもの受け持ちになった時は部屋に入るのに勇気が要りました。
でも監視している目がふとした時期から認めてくれている目に変わっていると感じたときは、とても嬉しかったことを覚えています。
他にも、熟練の看護師しか心を開いてくれなかったり、俗にいうモンスターペアレントと呼べる苦情の嵐を巻き起こしたりするなど、色々な母親がいます。
しかし、自分の大切な子どもが病気にかかってしまった悲しみや早く気づいてあげられなかった自分への憤りなど、様々な感情が渦巻いているのだから仕方のないことだと思います。
そんな母親のメンタルフォローも家族看護として小児科看護師には求められてきます。まあ、それでも怖い母親は怖いですけどね。
あとは何といっても仲良くしていた子が亡くなってしまうことが最もつらいです。子どもを亡くした母親の姿を見ることも大変つらいです。
新人の頃はなかなか受け入れられなかったものです。
小児科のやりがい、いいこと
小児科で大変なことはまだありますが、それを補って余りあるいいことも沢山あります。
とにかく可愛い
何といっても子どもたちが可愛くて癒されます。
仕事に来ているのか癒されに来ているのか分からなくなることもあります(笑)。
乳児は存在自体が可愛いし、幼児は動きだったり、話したりすることがいちいち可愛いです。
学童になってくると生意気なことを言ってきたり、反抗的になってきたりしますが、基本は素直な子ばかりで、やっぱり可愛いですね(笑)
子どもが好きな人にとっては、小児科は堪らないところだと思います!
成長を見ることができる
さらに子どもの成長を見守ることもできます。
入院したときには、つかまり立ちをするのがやっとだった子が初めて歩くのを見たこともあります。
中学生の子が病院内で受験をして、合格したのをお祝いしたこともあります。
他にも、ある子が退院した数年後に自分みたいに病気になった子を助けたい思いで医学部に入学したと聞いたときは本当に感動しました。
私の知り合いには退院後も付き合いが続いて、今度その子の結婚式に出席する人もいます。
こんな風に小児科にいる子どもたちの未来のために看護をしていると思うと、大変なこともありますが、小児科の看護師はすごくやりがいのある仕事だったなと思います!
この記事を書いた人
ニックネーム:まーくん
一言:今度、初フルマラソンを走ります!目標は3時間半切り!
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