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手術室看護師になりたい人。元オペ看が手術室看護師の仕事を紹介!

2020 5/01
手術室看護師になりたい人。元オペ看が手術室看護師の仕事を紹介!

ナースの皆様、日々のお仕事本当にお疲れ様です!

突然ですが自己紹介でよくありませんか?

「○○病棟で働いています」

この○○の部分に入る言葉が聞き慣れた単語、例えば《整形》《外科》《内科》はたまた《外来》などであればだいたい言わずともイメージしてもらえますよね。ところが

「オペ室です」

「あーメス!汗!(ジェスチャー付き)」(会話終了)。

看護師になってから何千回このやり取りがあったか。

そもそも人生で一度でも「手術室看護師になりたい」と考えたことありますか?

病院の影の稼ぎ頭でありながら敬遠されがちなあの部署です。

救命救急センター、ハートセンター、脳卒中センター、血液浄化センター、周産期センター、癌治療センター、スポーツ外来…

おそらく同業者の皆さんはかっこいい名前のついた部署で日々専門性を高めていると思います。

頭が上がりません。

さて、手術室看護師を辞め早数年の私ですが今回ありがたいことに機会を頂きまして、偉そうに手術室看護師について語ってみたいと思います。

「こんな看護師もいるんだな」と広い心でお付き合いいただければ幸いです。

目次

手術室看護師の仕事

いきなり余談ですが英語ではOperating room nurse(アメリカ)、 Theater nurse (sister)(イギリス)です。

では本題に入りましょう。

手術室看護師の日々の業務は《主に》2つ

直接介助と間接介助

です。(名前のない家事ならぬ名前のない業務は多すぎるのでここでは割愛します。)

直接介助は『手洗い』や『器械出し看護師』と言われる業務です。

まさにドラマでよく見る『メスのあれ』です。手術に必要な器械を準備して手を洗います。滅菌ガウンを着て滅菌手袋を装着したら手術終了までひたすら清潔操作です。

執刀医の先生にどんどん器械を渡し手術の進行をサポートします。

そしてもう1つが間接介助で『外回り看護師』と呼ばれます。

入室から退室まで全身状態をひたすら観察しひたすら記録します。

手術前には体位保持に問題がないか最終チェックし、手術の進行に合わせ器械台に必要なものを出し、バイタルサイン・インアウトを常に観察し麻酔科の先生と連携を図り全身状態の安定に尽力します。

もちろん執刀医の汗も拭きます(笑)

手術終了時には滅菌ドレープを剥がして体位による皮膚損傷(発赤や表皮剥離)、浮腫や蕁麻疹が出ていないかドキドキしながら観察します。

特殊体位(側臥位や伏臥位)で長時間なんてことになれば毎回報告祭りで大変なことになるので観察の鬼と化します。

手術室看護師の重大な仕事

さて手術中の手洗いおよび外回り看護師の重大業務、それは『カウント』です。

時々体内遺残のニュースがありますね。

その責任を両者とも負っています。

器械をカウントし、ガーゼをカウントし、針をカウントし、見付からなければ血眼になってゴミ箱をあさり、床を這いつくばってでも探します。

大げさではなくリーダー、手の空いているスタッフ、師長を呼んで見つかるまで手術はストップです。手術中にレントゲンを撮ることもあります。

想像が付き辛いかもしれませんが、ガーゼって本当にお腹や脂肪の中に入ると見えなくなります!こんなになるの!?というくらい血液や生食で濡れると小さくなります。

術野に一番近い執刀医ですら見逃すのです。いわば手術室看護師は安全な手術の進行においてフィクサーの役割を果たしています(それ看護なの?と思われるかもしれませんが…)

手術室に配属された看護師がまず最初にすること

一般的に新しく手術室に配属になった看護師は直接介助から入ることが多いです。

想像してください。

看護師免許取りたての看護師が配属先で最初にすることを。

それは何百何千種類とある器械を覚えることです。

器械が保管してある棚の前に新人が並び、

布鉗子(大・小)、消毒鉗子、コッヘル、ペアン、モスキート(鉤あり・なし)、有鉤攝子(短)、無鉤攝子(短・中・長・最長)、血管攝子、五爪攝子、筋鉤(1・2A・2B・3A・3C …だったかな)マチュウ持針器(短・中)、ダイヤモンド持針器(大・中・小)…to be continued。

本当にこんな感じで全ての器械を淡々と説明されたあの日をいまだに忘れません。

手術室看護師の大変なこと、やりがい、メリットやデメリット

私は5人同期がいましたが、誰も手術室希望ではありませんでした。そんな中私は配属先希望の紙を

第一希望:手術室
第二希望:___
第三希望:___

これで提出した変人です。

それくらい学生時代から手術室に入りたくて仕方がありませんでした。

実際に何をやっていたかほぼ覚えてないのですが、単純に急性期の実習で病棟よりも手術室の方が楽しいと感じたからです。

それでもやはり最初の二年は大変でした。

元職場は全スタッフが全科に対応するシステムで、外科・産婦人科・泌尿器科・整形外科・脳外科・眼科・耳鼻科など全科の疾患・解剖を理解し、手技を覚え、特殊器械の扱いを確認し、執刀医による準備の違いも覚えたと思ったらまた新しい先生が来てやり方が変わって。

緊張が続いて仕事に行きたくないと思う日も少なくなかったです。

手術室の仕事が楽しいと思い始めたのは三年目からですね。

自信を持って手術に臨むことが増え、やりがいを感じました。結局最初の職場では七年で退職しました。

手術室の強みはやはり解剖生理に強くなること幅広く疾患や薬品を勉強できることだと思います。

そして各職場で勤務形態や細かいやり方に違いはありますが転職後も割とすぐに戦力になることができます。

デメリットもありました。

最初の病院ではルート確保が研修医の仕事だったので、それができないまま経験年数を重ねてしまい、転職した病院で看護師歴八年目にしてルート確保初体験でした。

見守ってもらいながら実践を重ね少しずつできるようにはなりましたが、そこはまだ不安が大きいです。

最後に、私は《Theater sister》という言葉がとても好きです。

「患者様の声なき声になる」役割を担う手術室看護師にぴったりな表現だなと思っています。

そういうと特殊な環境のように聞こえますが実際は急性期看護の一部です。急性期への理解を深めるために病棟も手術室も経験することは理想です。

新人の頃からずっと手術室勤務というスタッフが多く、術後の経過を知らない場合がほとんどです。情報共有のために実は病棟経験者の方が異動して下さることは手術室スタッフにとって非常にありがたいのです。

難しいこともたくさんありますがやりがいの多い手術室もぜひ注目してみてください。

この記事を書いた人

ニックネーム:#ロッカーにサージカルテープ貯めてるの私だ
日常でオペ室ネタを誰にも理解してもらえません

この記事を書いた人

看護師として働きながらWebサイトを運営しています。自分らしく働くことを応援しています。

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