みなさんは外来看護師についてどんなイメージを持っていますか?
今回はクリニックてはなく、入院病棟を持つ病院の外来についてお話しますね。
私が外来看護師になったのは、育休明けの異動がきっかけでした。
育休明けは外来希望を出すスタッフが多いとは聞いていましたが、私は特に希望していたわけでありませんでした。
むしろもともと集中治療室勤務をしていた私は、育休明けも元の部署に戻って夜勤もやるぞ〜と意気込んでいたので、少し拍子抜けした、という感じもありました。
外来看護って何しているのかよくわからないし、緩そうだな〜ママさんナースが多いって聞くし、どんな感じなんだろう?
と、正直気楽な気持ちで復職しました。ごめんなさい(笑)
実際に、1年働いてみて少しだけ見えてきた外来看護のこと、イメージとは違うこともあるよ〜というのをお伝えしたいと思います。
外来看護師の忙しさ
想像してた2倍は忙しかったです。(笑)
クリニックの窓口的な看護を想像していましたが、総合病院の外来はそんなものではなかったです。
業務内容としては、医師の診察介助・検査の介助、内視鏡などの検査説明、外来で行える注射治療。
さらに最近は、外来通院で化学療法や放射線療法が行われるため、外来での看護師の業務も増える傾向にあります。
とりわけ、化学療法室は連日枠がいっぱいになり、診療時間内に終わらないこともしばしば。
またもちろん、入院病棟もある総合病院のため緊急入院が1日に何件も、なんてことも度々。
そもそも、外来看護師の医療法上の配置基準は「30:1」ですが、実際の患者さんの数はそれをはるかに超える日も・・・
重症系の病棟にいた頃とは、全く違う質の忙しさが待っていました。
来院する方全てと関わるわけではありませんが、配置が少ないので、忙しくなった時も根本的な頭数の少なさは大変だな、と感じました。
外来看護師のやりがい。専門外来
1つは、看護師の専門外来の拡大です。
専門看護師・認定看護師の増加に伴い、設置されている病院も増えましたね。
例えば、こんな外来があります。
ストーマ外来 | ストーマ造設した患者さんが、自宅でセルフケアできているかを外来通院時に確認し、相談にのります。 |
フットケア外来 | 糖尿病の合併症により、末梢神経障害が出た方へのフットケアを専門に取り組みます。 |
糖尿病療養支援外来 | 糖尿病はセルフケアが重要な疾患です。自宅で、セルフケアが継続できるよう支援します。フットケア外来と兼任していることもあります。 |
緩和ケア外来 | がん性疼痛を始めとして、疼痛ケアを重点的に行います。近年では緩和ケアの重要性が説かれ、がんと診断された早期からの介入が求められ需要も高まっています。 |
がん看護外来 | こちらも近年需要の高まる外来です。がんと診断された患者さんは多くの悩みを抱えることになります。それに多面的にアプローチしていくのがこちらの外来です。 |
各専門外来の内容は病院によっても特色があると思います。
これらの専門外来には、加算が取れることもあり、自分がやってきたことが役に立ち、病院にも貢献できる、というのでやりがいを感じる看護師が多いです。
私の職場でも専門看護師や認定看護師を取得している先輩が増えていました。実際に外来に勤務して、その仕事ぶりを生で見ることで、自分も興味がググッと湧きました。
医師の指示の下でしか動けない看護師ですが、認定看護師として専門外来を持つ先輩は、医師と対等に看護の裁量を十分に発揮して、患者さん個人個人に合わせた看護をしていました。
ついつい「業務」にばかり追われがちな看護師の仕事の中で、きちんと自分の看護をしている姿はいいな、と思いました。
2つめに、個人的に大きくやりがいを感じたのはがん治療をする患者さんとの継続的な関わりです。
これはまだ上記のような資格を持たない私でも、外来看護としてできたことでもあります。
現在は、外来での治療もかなり進歩し、がんになった方も多くは外来通院で治療が可能です。
また、治療期間も伸びて、長い方ではホルモン治療など10年ほど通院を継続される方もいます。
在宅医療も進歩してきているため、依然病院でのお見取りも多いのですが、最期まで自宅での治療を継続する方も多くなってきています。
そのため、長期の外来治療をする患者さんを支えるための医療が重要になってきています。また、チーム医療を行い、十分に患者さんをフォローするためにも、外来看護師に求められることも多くなっています。
特に意思決定支援を行い、患者さんが希望する治療を選択できたときや、その環境を整えられたときに外来看護のやりがいを感じました。
今後求められる役割
ACPという言葉を知っていますか?
Advanced Care Planningと言って、「将来起こりうる病状の変化に備えて、医療従事者が患者と家族とともに、患者の医療上の希望、生命維持治療に対する意向、医療に関する代理意思決定者の選定などを行うプロセスを指す。」ものです。
がんは、ステージによっては完治が難しい場合も多く、余命も限られる場合があります。
亡くなるまでの経過も、外来通院できていた人が突然翌週に緊急入院、そのままお見取りということもあるほど急激なことが多いです。
そのために、元気に話せて、歩いて通院できる段階、つまり外来通院しているときから、「もしこうなったらどうしたいですか?」という話し合いをしていくことが大切です。
そして、それができるのが外来看護師なのです。
ACPについては、外来看護に限らず、今後の医療のキーになると思うので、よければ調べてみてくださいね。
緩く復職するつもりだった外来看護ですが、意外に重要な役割を担っているのだな〜と思って最近は仕事をしています。
ご興味ある方はぜひ、外来も今後の自分のキャリアに入れてみてくださいね。
この記事を書いた人
ニックネーム: リッツ
一言: 集中治療室、外来と振れ幅の大きい部署を経験。全く違う部署で見えてくる看護を面白いなーと思いつつ、子育ても楽しみたいので産休に。次はどんな看護をするんだろう?と復職を楽しみにもしています。
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