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新型コロナウイルスが流行ってるとき、なんで熱があっても仕事に行ってしまうのか?

2020 3/10

マスク、トイレットペーパーが市場から消えたことで痛感させられたこと。

 

それは資源には限りがあるということ。

 

世界では今、地球温暖化対策が重要なキーワードになっていて、プラスチックを使わない、二酸化炭素の排出をゼロに、といった目標がたてられてます。地球の資源には限りがあり、このままでは資源が枯渇してしまうという危機意識を日本(とアメリカ)を除く先進諸国は共通して持っています。

 

だけどこの国に住んでいる限り、モノに、資源に限りがあるなんてすっかり忘れてしまいがちです。

スーパーに行ったら何でも手に入ります。病院に行けばお金と医療者の労力をふんだんに費やした医療を、国民皆保険のおかげで誰でも受けることができます。

 

モノがあふれていて、誰でも十分な医療を受けられる。

そういう便利な生活が当たり前なので、日本は

 

マスクがない→優先順位を考えて必要な人に確実に行き届くようにする

ではなく、

マスクがない→マスクが欲しい人全員にマスクが行き届くように、マスクの生産を24時間体制にしてマスクを増産する

という方向になりがち。

 

そういうとき、関係会社、公的機関の人達が国民のために不眠不休で働くのは当然のように思われてます。

限られた資源の中でどう優先順位をつけて活用するか、ということを考えるのは苦手な国民性なのかなと思います。

医療現場で働いていると、超高齢者や回復の見込みのない終末期の人でも、限りある命の残りの時間をどう生きるかではなく、できる限り長く生きることばかりに注視して医療が行われること。そのために多額の医療費や医療者の労力をつぎ込まれているのだけど、そこは度外視されていることに疑問を持つことが度々ありますが、これとなんだか重なります。

 

 

そして、もうひとつ思うこと。

客観的な立場から政府の対応は間違ってた!なんて批判をするし、不安なので買いだめ行動などもしっかりする。

でもいざ自分のこととなると「熱くらいで仕事を休めない」という人がいること。

 

感染の拡大を抑えたいなら、感染したとき重症化したくないなら、熱があるときは仕事を休むのが一番です。

不安だ不安だと言いながらも「熱くらいで休めないし」とのたまう人がいるのは本当に不思議以外の何物でもない。

 

熱があるなら無理せず休んでいいと思うのですが。

本当に熱くらいで仕事休めない人は、実際のところすごく少ないと思います。

 

とはいっても、それができない事情を決して軽視できないのもわかります。

 

その休めない事情というのは、ちょっとしたことで仕事を休んではいけないというまわりからの圧力

そしてちょっとの熱くらいで休んではいけないという価値観に自分自身が縛られていることです。

 

 

2019年9月、千葉に大型台風が直撃して電車が止まったとき、翌日には会社に行こうとして駅で何時間も並ぶスーツ姿の人達の光景がニュースになってました。

そうまでして会社に行かないといけないのか?!と衝撃的すぎていまだに忘れられません。

どんな状況だろうと仕事に行かねばならないと使命感を持つ人が本当に多いんですね。素晴らしい社畜マインドです。

各々仕事に行かなければならない事情があるのでしょうが、大きな声では言えないけど中には無理して仕事に行かなくてもいい人も絶対に混じっていたと思う。

 

コロナを気にリモートワークも進むかなという気もしますが、やはりちょっとしたことでは仕事は休めないという「仕事」への意識は我々日本人、ものすごく強いです。

それは新型コロナとて変わりはなし。

 

熱があったのに出勤していた。しかも後からコロナだったことがわかった。となると、

なんで熱があるのに出勤したんだ
無理して仕事に行くべきではなかった
まわりのことを考えているのか
迷惑だ

客観的な立場になればみんなそう思います。批判します。

 

だけど、自分のこととなるとそう簡単にはいかないです。

 

自分が休んだらまわりに迷惑がかかる。

大事な仕事があるから休めない・・・。

仕事に行かないと。

 

この思考から抜け出すことは本当に難しい。高熱がある場合か、コロナ陽性と判定された同居家族がいるなど、よほどの確信がある時に限られるんじゃないかと思います。

 

それは普段「責任感」と呼ばれ称賛されるべきマインドでもあります。

しかし!不安だと言いながらも自分の生活は一切変えたくない、無傷でいたいという人は、なんだか自分勝手というか、危機管理のできない人だなとも思います。

 

 

看護師も無理してでも働いてしまう部類の仕事ですよね。

看護師ってただでさえ人手不足で過重労働、夜勤もある不規則勤務で寝不足、疲れ果てていることも多いです。

そして人手不足だから、自分が仕事を休んだらまわりの人に迷惑がかかる、と少しくらいの体調不良では休めない仕事の代表選手と言ってもいいくらいです。

 

患者さんの健康のケアをするのに、自分の体調はボロボロという人も多いです。

何年か前、看護師がインフルエンザで亡くなったというニュースがあったのですが、その看護師が40代の若さだったことに驚いたことがありました。

持病があったのか詳しいことは知らないのですが、40代でインフルエンザで亡くなるなんて、よっぽどの過労だったのかなと衝撃でした。

 

看護師がコロナウイルスに感染したというニュースはよく見かけますが、忙しく休めない仕事だからこそ「仕事に行かなくちゃ!」と無思考に社会的責任を果たすのでなく、仕事に行くべきなのか休んだほうがいいのか、冷静に判断したほうがいいよなぁと思います。

 

 

この記事を書いた人

看護師として働きながらWebサイトを運営しています。自分らしく働くことを応援しています。

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