ナースの皆様、毎日お仕事お疲れ様です。
書きたいことがありすぎてまとまらなかったので語学学習特別編をお送りします。
語学学習前編で日本人は間違いを気にして全然話せない、間違っていてもどんどん発言した方が良い、間違えることは恥ずかしいことじゃない、といった内容を書きました。
本当にその通りだと思っています。
そこで今回特別編では語学学校のTESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages)というクラスで学んだ『間違い』について印象に残っているエピソードを紹介したいと思います。
第二言語を学習する上で間違える理由は主に二つです。
一つ目は第一言語による影響です。
第一言語の単語や文法、発音パターンをそのまま英語にあてはめることがあります。
日本語の場合、単語は少ないですが例えば外来語(カタカナ表記の単語全て)を英語としてそのまま使うことがあります。
実はフランス語だったりポルトガル語だったりしますし、英語でも本来と違う意味で使われている場合もあります。
文法では英語の冠詞(a, an, the)に相当する品詞がありません。
数えられる名詞、数えられない名詞、という分類もありません。
日本語話者が英文法を学ぶ上で理解しづらいことの一つだと思います。
発音はいうまでもありませんね。
LとR、BとVの明確な区別やThの音は日本語には存在しません。
二つ目の理由は言語の発達途上で起こる間違いです。
これは母国語を学び始める子どもにも同じことがあります。
学んだ言葉を理解が不完全なうちに使ってみたり、覚えたルールを当てはめたりします。
例えば子どもは『あか、あお、きいろ』と覚え、それを『あかいろ、あおいろ、きいろいろ』に変化させます。
「色の名前は語尾に『いろ』がつく」というルールを覚えたが故にですね。
英語圏でも同じことです。 “Go”の過去形を“Went”ではなく“Goed”と覚えることがあります。
動詞の過去形は語尾に“-ed”を付けますが全てではないです。
しかしながらこう言った言語の発達途上の間違いは学んでいくにつれ自然と消滅していくことがほとんどです。
そして間違えることは学習過程で非常に重要な役割を果たします。
間違えることで何かしら知らないことがあるということを自覚しますし、間違いを正そうとします。
さらに次に同じ間違いを繰り返さないように気をつけます。このプロセスを何度も経て私たちの言語はより正確になっていきます。
しかし時々間違いが「化石化」してしまうケースがあります。
化石ができる過程をイメージしてください。
新しい地層がどんどん積もり積もっていっても、古い地層の中で一旦化石になったら永久に形を変えませんよね?
これと同じで初期段階で直さなかった癖は、その後ずっと直らないとされています。
これは特に大人の第二言語学習者に多く見られます。
日本人の場合は、海外の語学学校でほとんどの方があっという間に初級を卒業します。
文法の理解に長けているためです。むしろ初級クラスにいると授業がとてつもなくつまらなく感じたりします。
レベルが上がることは一つの成果の目安となるので語学学習を続ける上で重要なモチベーションとなります。
しかし時間をかけてでも初期のうちに徹底して小さな間違いを直さなければ、上級まで上がっても初歩的な間違いを繰り返すことは珍しくありません。
そして一旦「自分は話せるようになった」と自信がついたら基本をもう一度勉強し直そうとはあまりならないですよね。
私は『サバイバルイングリッシュ妖怪』と密かに呼んでいます。
海外に住んでいると時々、いえ、しばしば出会います。
口癖は「ブンポウカンケイナイ」「コミュニケーショントレル」です。
長年海外に住み学校以外での英語習得によって生まれた厄介な生き物です。
文法や単語を一生懸命勉強する人を見つけると噛み付いてきます。
話す速度がネイティブに近くなりとても流暢にコミュニケーションを取れているように聞こえます。しかし間違いだらけというやつです。
結論から言いますと、間違いだらけのサバイバルイングリッシュでも何も問題はありません。
目標が「英語でコミュニケーションを取れる」ということであれば達成しています。
旅行はもちろん、ワーキングホリデーで働けるくらい十分なレベルだと思います。
しかしその先に進みたい場合、そのままでは厳しいです。
例えば海外で看護師として働くことは実現不可能な夢ではありません。
しかし何事も急にジャンプアップできません。言うなれば高校も卒業していないのにいきなり専門職の国家試験の勉強はできませんよね。医療英語を勉強するためには、まず基礎英語をしっかり身につけることが大切です。
繰り返しになりますが、間違いは言語を学習する上で誰しも必ず起こります。
間違えに気づいた時、人から指摘された時も自分で気づいた時でも、落ち込むのではなくそれが成長のチャンスだと捉えませんか?まだ伸び代があるということです!
この記事を書いた人
ニックネーム:#ロッカーにサージカルテープ貯めてるの私だ
一言:日常でオペ室ネタを誰にも理解してもらえません
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