日本で看護師として働いた後、アメリカに留学し看護師免許を取得し帰国。その後日本の看護大学院に通っていたapplepiesさん。
看護師資格と英語を活かして総合商社でも働いていたそうで、今回は商社でのお仕事について伺いました!
私が看護師として総合商社で働くことになった経緯
大学院終了後。自宅からメトロに乗って30分程の看護大学でリサーチアシスタント(俗にいうRA)をしている最中(大学の廊下を歩いているとき)、突然私の携帯電話がなりました。
急いで電話に出ると
「先日メールさせていただきました○○○商事の△△という者です。是非一緒に働きませんか?すぐに面接に来ていただきたいのですが、ご都合がよろしい日時をおしえていただけますか?」と。
勢いよく話を始められたので、その勢いにのり翌日面接することに!
会社は駅近の大変立派なビル、大理石でできた天井の高い大理石でできたエントランスの最上階フロア(数十階)にあり、面接室の窓から見える景色に目がクラクラしてしまい、面接で何を話したか全く覚えていません(泣)。
見慣れない景色に圧倒され頭の中は真っ白だったにもかかわらず、面接はあっという間に終了!
翌日からそこで働き始めることとなりました。
正直こんなに簡単に決まっていいものなのだろうか?
面接官は正気なのか?と疑心暗鬼になってしました。
後々わかったことなのですが、早急に医学英語とある程度医療系の研究について知見のある看護師を必要としており、私と面接する前にもMaster(修士あるいは博士前期)Degreeを持つ看護師と既に数人面接をしてきていたとのことでした。
面接ではコミュニケーション力を重視したと上司に言われました。(といっても前述の通りの状態だった私がまともな会話をしていたとは到底思えないので、無意識に火事場のくそ力を発揮していたのだろうと思います)
入社してすぐに自分のデスクとパソコン(持ち出し自由)を渡され、自分の名刺を作り、その名刺をもって2週間程度かけてクライアントに挨拶してまわりました。
名刺の「看護科学修士(NSM)・保健師」とい文字を見た瞬間、責任感が一気に湧いてきました。
一緒に仕事をするメンバーのほとんどは修士号を持つ薬剤師や栄養士の方々でした。皆大変責任感が強く勤勉で、毎日21時~22時頃まで残業していました(私は「子どもの保育園がしまってしまうので・・・(汗)」と言って、さっさと20時までには会社を出ていました。
さてその商社での仕事とはどんなものだったのか?
これから仕事内容を2つの大枠に分けて紹介します。
商社での仕事内容
2つ以外にも私の知らない仕事が進んでいたかもしれませんが、日々の仕事に没頭しまわりをみる余裕がなかったので、その点はどうかご容赦ください。
1.Webコンテンツあるいは医療系月刊雑誌に掲載するための記事作成
海外の最新医療系論文(医学/薬学/看護学/栄養学/心理学)を日本語に訳し、Webや雑誌などに掲載していました。
掲載する論文の選定においては、医療系の方だけでなく一般の方が読んでも面白いと思うようなもの、且つそのときに流行っている話題、あるいは長年問題となっている事柄などを加味したものです。翻訳することよりも論文を選定することの方が、意外と地味な作業にもかかわらず頭を使う作業でした。
2.製薬会社とコラボで新薬をリリース!
クライアントは主に外資系製薬会社でした。
新薬に関する海外本社からくる資料はもちろんすべて英語、故に任務遂行には英語能力必須、医学英語を用いた英文資料の読解力も必須でした。
英語だらけの仕事内容
外資系製薬会社の役員はほとんど外国の方(アメリカ人だけでなく、ドイツ人の方もいらっしゃいました)だったので、英語で会話していました(とはいっても実際会話のほとんどは英語堪能な上司がしきていました)。時々約2時間の会議中ずっと英語だけで会議がすすむことがあり、外国の方々の話すテンポはとても速かったので、ふっと集中力が切れてしまっただけでも会話についていけなくなっていました(泣)。
もし私に話を振ってきたらどうしようと、いつもビクビクしていました。そんな私を尻目に上司はベラベラ流暢な英語で時にはジョークやジェスチャーをまじえながら会話していました。
時々会議に日英バイリンガル(発音もジャングリッシュではなくイングリッシュ!)の製薬会社の方が同席していたのですが、その人が本当に天才に見えていました。
私はそういった会議に出席するのが苦手で前日は緊張のあまりほとんど眠れなかったのですが、新薬リリースに伴うFAQやアドヒアランス向上には『看護の目』が必要不可欠とのことで、毎回気合を入れて出席していました。
私はこちらの仕事がメインで、毎日クライアントや大学教授の元と会社を行ったり来たりし、一日が終わるころには足が棒のようになっていました。
アドヒアランス向上のためにどうしたらよいかを色々な大学の教授陣とコラボで研究をしており、その産学連携の橋渡しの役目を商社が担っていました。
ニューヨーク赴任帰りや海外の超一流大学でMBAを取得している英語堪能な上司は、アドヒアランスの研究が進み、且つ研究結果を実際に患者さんに生かし、成果が認められているヨーロッパに研修旅行へ行っていました。
会社の自分のデスクは英語一色!
海外論文、製薬会社からいただいた海外資料などが山のように何棟も積まれていました。 まったく日本語の書類に触れない日があることが多々ありました。 海外論文、製薬会社からいただいた海外資料などが山のように何棟も積まれていました。
頭の中は医学英語でいっぱいで、同僚やクライアントとは日本語の医学用語をつかうのではなく、医学英語をつかって会話していました。
会社の上司は「勉強するための費用は会社がもつ!どんどん自分の知識を増やして仕事に役立てなさい!」と言っており、私も高額な研修費用を会社に出してもらい、勉強させてもらいました。TOICスコアが650以上あれば海外研修には行くことができたのですが、私には幼子がいたため泣く泣く断念しました。海外研修にすごく行きたかった・・・(涙)。
コメント