こんにちは!病院で働く身としては新型コロナウイルスは他人事ではありません!
勉強のためにオンラインセミナーなどに参加して情報収集に努めているのですが、岡田悠偉人さんというハワイの疫学者の方が主催しているセミナーで、これは役に立つ、なるほど!と思ったものがありました。
他の回は個人情報へ配慮して公に公開できないのですが、こちらはリンクフリーとのことなので、共有させてもらいたいと思います!
【第6回オンラインセミナーの録画視聴リンク(エビデンス更新と公衆衛生)】
90分の講義でわりと長いです。全てを紹介するわけにはいかないので、私がこの中でこれはと思った
感染リスクのアセスメント
について紹介します。
感染リスクのアセスメントとは?
私はコロナ疑いの患者がきただけで一気に緊張が走ってピリッとするのですが、実は感染力は重症度によって違うそうです。
重症化するほどウイルス放出期間が長く、感染力は強いです。
これを踏まえて、
- 対象の重症度
- 接触時間と距離
- 手技
から感染リスクがどれくらい高いのかを考えます。そしてその考えたことから、選択するPPEを変えていきます。
どうやってアセスメントするのか?
方法として挙げられていたのは、5段階でのリスク評価でした。
1が一番リスクが低く、5が感染リスクが最も高い。 そこで、重症度、接触時間と距離、処置からリスクをアセスメントします。
相手の重症度はどれくらいか?・・・高熱が何日も続いているのか、呼吸状態はどうか
接触時間と距離はどれくらいか?・・・数分程度?何時間?接触するのか離れてるのか?
どんな処置をするのか?・・・一番リスクが高いのは挿管。
この3つから5段階で、感染リスクがどれくらい高いんだろうと考えます。そこから、どのPPEを選択するか決めていきます。詳しくは動画で解説してくださっているので省略。
アセスメントなので主観でいい
もうひとつ、アセスメントなので主観でいいそうです。主観でいいのは地味にありがたいです。
ついつい間違えてはいけないと思い、正しい答えを見つけるために労力を費やしてしまいがちですが、自分の主観でいいとなると、スピードアップにもなるし、自分の考える訓練にもなりますね。
さてここまでがセミナーで学んだ内容です。ここからは私の感想です。
これらのことは、もしかしたら医療者であれば当たり前に意識していることなのかもしれませんが、私はできていなかったです。正直、コロナ疑いというだけでビビって、どのPPEを選択したらいいのか、同じ空間にいていいのかわからずオロオロ焦っていました。これってたぶん、コロナの感染力について知識がないからだと思います。
重症度が高いほうが感染力が強い
ということを知っているだけでも、無駄な不安を減らせるし、冷静に対処できます。医療者が不安がっていると患者にも伝わります。落ち着いて対応することで、患者の不安を助長しない、という点でも医療者がむやみに不安がらないことは大切ですよね。
熱もなく歩いてきたコロナ疑い患者→たとえ陽性だろうとそれほど感染力は高くない。すれ違うくらいなら感染リスクは1くらい、怖くないなとか
陽性者で相手もマスク着用、熱発なし。→バイタル測る短時間の接触なら感染リスクは2くらい?・・・サージカルマスクでの対応でよさそうだとか
そういう判断の指標ができるのはとてもいいと思いました。
オンラインセミナーで学んだこと
もうひとつ、感染リスクをアセスメントするということを学んで、私が気づいたこと。
それは、正しい答えはないんだということです。
私はこれまでどこかに正しい答えがあると思っていて、それを知っている誰かに教えてほしいと思っていました。こういうときはこのPPE、こういうときはこうすると、誰かに指示してほしくて、マニュアルみたいなものを探してました。
でも今、未知のウイルス相手に物もなく、人材も限られ、感染者数ばかりが増えていくこの状況で、正しい答えを知っている人なんていないし、正しい答えなんてないんですよね。
頭ではわかってはいたけど、まだどこかで誰かの判断に頼っていた気がします。そこに気づけたのはほんとに大きな収穫でした。
特に今は情報がどんどん更新されていきますよね。少し前まで症状のない人のマスク着用は効果がないとされていたけど、今は世界中でマスク着用が推奨されていたり。
その時は正しいと思えても後から違う事実が出てくることもあります。100%正しい答えはない。だから完璧な答えでなく、今できる範囲のより妥当な方法を考えていく。そういうスタンスでいるのがいいですね。
さてこのCovid19についてのオンラインセミナーですが、高齢者施設での対処方針とかプラスチックが一番ウイルスが残存しやすいとか、他にもいろいろ役立つ情報があります。ちょっと長いですが、勉強になりますのでぜひどうぞ!
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